はじめに
新NISAを皮切りによく聞くようになった『インド株』という言葉。
インド株に投資していく中で、SENSEX指数とNIFTY50指数に連動型の投資信託が増えてきました。
インド株を極めていく中でこの2つの指数への深い理解が必要かと考えSENSEXとNIFTY50の選定銘柄である『ASIANPAINTS』を紹介していきます。
インド株の魅力などに関しては以下の記事にまとめておりますので、以下の記事も併せてご確認ください!
※本記事は、投資を強く推奨するものではございません。投資は元本割れのリスクがございます。あくまで投資判断は自己責任でお願い申し上げます。
▶目次
▶①『ASIANPAINTS』の事業内容
【ASIANPAINTSとは?】
既存の家の塗装・装飾にまつわるものはあらかた取り揃えており、こと塗装業においては世界最大級の企業。
NIFTY50・SENSEXのどちらにも組み入れられている銘柄です。
【事業内容と売り上げ比率】
①Decorative business事業→塗装などの関連事業
・内装塗装の仕上げ ・建設用接着剤 ・防水加工
・エナメルペイント ・フローリング加工
・外装工事 ・下塗加工 など
②Home Decor business事業→家具などの家にまつわる広範囲の備品を揃えられるAll-in-one事業
・洋服ダンスやキッチン ・UPVCを使用した窓ガラスやドア
・風呂桶やトイレなど ・壁装材
・装飾照明 ・家具類 ・カーペット ・カーテン などなど
2022-2023 annualreportより抜粋
①と②の合計で売り上げ構成比88.2%
③Ineternational business事業→以下地域に進出をしている
・アジア ・中東 ・アフリカ ・南太平洋
2022-2023 annualreportより抜粋
売り上げ構成比は9%
④Industrial business事業→インド内で高品質の産業用・自動車用の塗料を供給している。
セグメントとしては、
PPG Asian PaintsPvt. Ltd. (PPG-AP)→自動車、船舶、包装用の塗料を供給している
Asian Paints PPG Pvt.Ltd. (AP-PPG)→産業用の保護塗料、床用塗料、粉体塗料、道路標識などを供給している
この2軸でインド国内への供給を行っている
売り上げ構成比は2.8%
まとめると家の塗装やリフォーム、家具の販売など家にまつわることを一貫して行っている企業ですね。
日本の企業でいうと日本ペイントのような塗装業+ニトリのような豊富な家具販売+積水ハウスのようなリフォーム技術などがあり、そんな企業が世界に進出しているというようなイメージでしょうか。
▶②『ASIAPAINTS』の基本情報
以下が『ASIAPAINTS』の基本情報です。
【基本情報】
数値・名称(₹=ルピー) | 前年比 | |
時価総額 | ₹2.951兆=5.4兆円 | – |
売上高 | ₹29,953.1 Crores※=約2,995億円 | +19.8% |
EBITA | ₹6,338.5 Crores=約633億円 | +25.8% |
税引き後利益 | ₹4,100.2 Crores=約410億円 | +30.8% |
Free Cash Flow | ₹3,164.4 Crores=約316億円 | – |
RoCE | 38% | +4.5% |
配当性向 | 60% | +1.4% |
株主資金 | ₹15,585.6 Crores=約1,558億円 | – |
従業員数 | 32,036人 | – |
CEO | Amit Syngle | – |
2022年-2023年annual reportより作成 2023年11月11日現在
:APNT:Natl India 株価 – アジアン・ペインツ – Bloomberg Markets
①時価総額は、ソフトバンクG=約8.51兆円
ASIAPAINTS=5.4兆円なのでソフトバンクGにも切迫する勢い
②売り上げや利益も前年越えであり好調なトレンド
③フリーキャッシュフローも316億円ほど生み出せており、財務上も問題がなさそう
④日本の配当性向は30%~40%ほどが多いので、60%と高く見える
以上が企業の詳細でした。英文ですが、企業のアンニュアルレポートのPDFも参考の欄にURL載せてますので見てみてください!
▶③今後の展望
様々な資料や今後のインドの背景から考えられる『ASIAPAINTS』の展望を考察してみました。
①これから2050年あたりまでインドの人口は増加見込みであるため、内需の拡大に伴い生活に必須である家にまつわる関連事業がさらに伸長していかないか?
GraphToChart. 「グラフで見るインドの人口推移(過去と未来・将来の推測まで)と一覧表」. 最終更新:2020-08-30. https://graphtochart.com/population/india-transition.php,(参照日時:2023-11-11)
②インドの平均年齢は約28歳くらいとみられており、まだまだ本格的な家の購入というのもこれからの可能性があり、さらに経済が発展していくと家にステータスが生まれて、良い家に住みたいという欲求が高まる可能性がないか?
③アジア、アフリカ、中東、南太平洋といった海外への進出もしており、
どの国もこれから経済が伸びていきそうな地域であること、地域がまだまだ限定的であること、売り上げ構成比が9%とまだまだ小さく伸びしろが大きいことを考えると海外への投資強化の方法によってはさらに売り上げが伸長する可能性がないか?
これらのことも考えながら、次章でどうやってインド株へ投資していくか考えていきましょう。
▶④日本でインド株に投資するには?
残念ながら、現状日本国内から直接的にインド株への投資はできません。
インドの証券会社が海外からの個人投資家の株の購入を禁止しているためです。
インド株への投資方法としては、ADR・ETF・投資信託・CFDの購入などが考えられます。
※ADRでも『ASIAPAINTS』へは投資できないため、個別投資はできません。2024年6月13日現在。
初心者からでも購入しやすいのが、『投資信託』と言われています。
最近は、信託報酬が1%以下の比較的低いコストで運用可能なインド系投資信託銘柄になります。
投資信託の買い方や魅力については以下のブログに記載をしていますので、是非御覧くださいませ。
『ASIAPAINTS』はSESEX/NIFTY50どちらにも組み入れられている銘柄ですので、そちらの指数(インデックス)連動系の商品を購入すれば間接的な投資ができるかもしれませんね。
他には、最近出たETF「グローバルX インド・トップ10+ ETF」はMirae Asset India
Select Top 10+ Index(配当込み)という指数を円換算した値の変動率に一致させることを目的としているファンドがあります。
そのインデックスの中の保有銘柄に『ASIAPAINTS』が組み入れられていました。
※2024年6月17日現在のデータ
Mirae Asset Global Indicesをもとに筆者が作成
このように、目論見書を読み込んでいくと購入できる銘柄あるかもしれませんので、『ASIAPAINTS』に投資したい場合は確認してみましょう!
▶⑤さいごに
今回は、インド株一つに紹介するというあまりないような記事に仕立ててみました。
次回以降も全銘柄紹介していこうと考えておりますので、是非見てみてください。
また、インド株に関してもっと深く知りたい方は以下の記事も見てみてください。