▶本記事の趣旨
現役サラリーマンたかはしんの
今週直近の気になったインド経済やインド株関連のニュースなどについて
共有する記事となっています。
今週は、『インドのEV車市場と12月の自動車販売』についてです。
※本記事は、投資を強く推奨するものではございません。投資は元本割れのリスクがございます。あくまで投資判断は自己責任でお願い申し上げます。
▶目次
今週の注目インド株・インド経済ニュース
▶①インドの今後のEV市場は1,000億円規模!?インドのEV市場の見立てとは?
JETROの1月19日の記事によると、当ブログでも以前2度取り上げているインド西部のグジャラート州で1月10~12日の3日間で開催された投資誘致イベント「バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット」において、複数の重要セクターについての会合が実施されたとのことです。
今回はこの会合から今後のインドのEV業界について考えてみましょう。
引用日:2024年1月29日
引用:JETRO インドビジネス短信ページより
URL:グジャラート州投資誘致イベント、EV生産技術でも「インドの時代到来」(インド) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)う
本件の具体的な内容は、以下
・複数の重要セクターとは、
→半導体・エレクトロニクス、グリーン水素、環境・リサイクル、航空、宇宙など
・グジャラート州が政府と連携して推進するセクターについて話し合いが行われて、その中の一つが電気自動車(EV)
・「2047年への充電(Charging Ahead to 2047)」と題したセミナーが実施された。
ここからは主要人物の発言要点をまとめていきます。
【ブペンドラ・パテルグジャラート州首相】
・EV関連は、モディ首相のインド独立100周年に掲げる「2047年、インドは先進国へ」というビジョンに対して大きな役割を持つ
・EV政策はグジャラート州がいち早く策定し、簡単にEV導入できる受け皿を整える
・具体的な方法としては、
①充電ステーションのネットワーク構築のための充電インフラへの設備投資
②マンダル-ベチャラジやドレラ特別投資地域へ投資を呼び込むための環境整備
③州内の公共交通機関→約500台のEVバスの調達・運用
など
グジャラート州は、製造業が非常に盛んなインドの重要都市ですので、やはり温度感がひときわ高いような発言が見て取れますね。
すでに投資も開始しているところが魅力的です。
バスへのEV車投入は日本よりも進んでいるようです。
ネットの記事などを読んでみてみると、日本ではEVバスの導入がかなり遅れているようです。(日本では数台導入で、ニュースになるレベルのため)
【ニティン・ジャイラム・ガドカリ道路交通・高速道路相】
・国内のCO2排出量の約4割は運輸部門から出ているもの
→化石燃料から代替え技術への移行が必用
・EVエコシステム構築が重要で、インドのEV産業の市場規模は、
12兆5,000億₹(ルピー) 日本円で約22兆5,000億円、1ルピー=約1.8円
・2030年までに年間EV販売台数は年間1,000万台・約5,000万人の雇用創出を見込む
・2022年のEV販売台数は前年の7倍
・グジャラート州では配車設備が効果的に機能し始めていて、資源を上手くリサイクルできればコストも下がるので値段の低下につながる
二ティン道路交通・高速道路相の発言をまとめてみましたが、インドにおけるEV市場は非常に大きく拡大傾向にあることが分かりました。
↑世界のEV車の2010年~2022年の販売数推移
引用日:2024年1月29日
引用元:IEA HPより
URLGlobal EV Data Explorer – Data Tools – IEA
以上は、世界のEV車の2010年~2022年の販売数推移です。現在世界全体で右肩上がりにEV車の販売台数は推移しており、2022年の世界のEV車の販売台数は約1,020万台とのことです。
つまり、2030年までに直近までの世界のEV車販売台数分を1年で売れるような試算であるということです。
すさまじいですね…..。
現在は、ヨーロッパ、中国、アメリカなどが主要なEVマーケットになりますが、ここがインド中心のマーケットになっていきそうな気がしますが、どのように変化していくのか各国の動向を含めて注目が必要です。
【マルチ・スズキ/トヨタ・キルロスカ・モーターの経営幹部の発言】
・現状は、インドのEVシステムには課題が多い。
・しかし、技術力向上、イノベーション、ビジネスモデルの変革で改善可能と指摘
・EV技術の分野で「インドの時代が来る」と発言
・特定部品などの重要な要素の輸入依存を減らすべく、現地生産の必要性を示唆
実際に現地の自動車メーカーも大きな課題はあるとしながらも、インドのEV市場の先行きは明るいとポジティブにとらえているようですね。
最後の文章の輸入の依存度という部分をメイクインインディアによって上手く海外企業を国内へ誘致したりすることで、現地生産のウェートを高めるということをどこまで進めていけるのか注視が必要です。
と、このように主要な要人たちがこれからのインドにおいて最重要ともいえる製造業、しかも車の製造に関する直接的な議論が行われるという重大なニュースでした。
なかなか目が出ずに、困っていたモディ政権の目玉政策ともいえる「メイクインインディア」。
この政策がようやく実を結びだし、各国の有名企業が名乗りを上げるニュースが増えてきました。
その中のEV市場しかもインドだけで、1000億円の市場規模予想でかつ、市場はインドだけではないので、インド株と併せて一つのセクターとしてEV市場は注目しておいてまず損はないでしょう。
インドの自動車関連の記事は出していこうと思います♪
バイブラント・グジャラート・グローバル・サミットを含む、グジャラート州に関する記事を書いていますので、以下も是非御覧ください。
https://takahasi-takasi-blog.com/1-15%e9%80%b1%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e6%a0%aa%e3%83%bb%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e2%86%92%e3%82%a4/ https://takahasi-takasi-blog.com/12-2%ef%bc%95%e9%80%b1%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e6%a0%aa%e3%83%bb%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e2%86%92/参考:グジャラート州投資誘致イベント、EV生産技術でも「インドの時代到来」(インド) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
▶②インドの12月の自動車販売台数について
JETROの1月15日の記事によると、インド自動車工業会は1月12日、12月の自動車統計(出荷ベース)を発表したとのことでした。
以下に、内容をまとめます。
引用日:2024年1月31日
引用元:JETRO インドビジネス短信ページより
URL:view_interface.php (jetro.go.jp)
まず、上記の表はから分かるポイントを押さえていきたいと思います。
・乗用車全体の国内販売台数は、242,900台(前年同月比増加率+3.2%)→2か月連続で1桁成長留まってしまった
※インドで有数の車メーカーであるタタ・モーターズの乗用車販売台数をふくめると、12月度は286,390台
・多目的車が乗用車の成長を助けてくれている(前年同月比増加率+31.1%)」
・2輪車・3輪車も全体2桁成長で非常に好調な状態を維持している
・自動車車の販売数全体で行くと、1,505,445台(前年同月比14.1%)
すさまじい伸び率ですね!
自動車産業ポータルMARKLINESのデータによりますと、日本の2023年度12月の自動車全体の販売数は、362,839台とのことですので、インドはこの5倍近い数値となります(笑)
インドの人口ボーナスが、2020年~2055年頃まで続くといわれているためまだまだ序盤です。
この人口ボーナスにまだ余力がありながらこの伸び率であるため、人口ボーナス期を十分に経て、インド国民の経済力が上がっていくと、今度は車一台当たりの今度は単価などにも寄与してきそうですね。
まずは、今は国民にしっかりいきわたっている最中で、2輪車・3輪車の販売台数が高いウェートを占めることからも単価よりも販売数といったところでしょうか。
引用日:2024年1月31日
引用元:JETRO インドビジネス短信ページより
URL:view_interface.php (jetro.go.jp)
次に、表2の12月単月のメーカー別の販売動向から見えるポイントをまとめていきます。
12月単月のメーカー別乗用車販売で、上位陣に明暗が分かれる形となっています。
12月マイナス成長だった上位陣↓
・1位のマルチ・スズキは、104,778台の販売。
前年同月比で-7,232台(-6.5%)
・5位の起亜は、12,536台の販売。
前年同月比で-2,648台(-17.4%)
12月プラス成長だった上位陣↓
・2位の現代(ヒュンダイ)は、42,750台の販売。
前年同月比で、+3,919台(+10.1%)
・3位のマヒンドラ&マヒンドラは、35,174台の販売。
前年同月比で、+6,729台(+23.7%)
・4位のトヨタキルロスカは、21,363台の販売。
前年同月比で、+10,947台(+105.1%)
上位5位は、日本2社・韓国2社・インド1社になります。
販売数の伸び率だけで切り取ると、日本が好調で、韓国が不調という見方になります。
投資家目線からみても、韓国の自動車会社は、個人的に投資が簡単にしにくいので、日経企業や現地企業に頑張ってもらいたいところですね。
下位にも有数の優良有名企業多数いますので、彼らの追い上げにも注目必要です。
引用日:2024年1月31日
引用元:JETRO インドビジネス短信ページより
URL:view_interface.php (jetro.go.jp)
最後に表3からメーカー別の2輪車の販売台数になります。
1位のヒーロー以外のトップ5はプラス成長
・1位のヒーローは、377,842台の販売。
前年同月比で-3,523台(-0.9%)
・2位のホンダは、286,078台の販売。
前年同月比で+52,927台(+22.7%)
・3位のTVSモーターは、214,988台の販売。
前年同月比で、+53,619台(+33.2%)
・4位のバジャジオートは、158,020台の販売。
前年同月比で、+32,495台(+25.9%)
・5位のスズキは、69,025台の販売。
前年同月比で、+28,120台(+68.7%)
2輪車においては、上位5社のうちインド3社・日本2社で現状はインドの地場メーカーが圧倒的なシェアです。
しかしながら、日本企業もホンダ・スズキが驚異的な伸び率で追随しています!
このように、EV車というくくりだけではなくインドは、自動車全体も現在激アツです!!
日系企業の奮闘はつい応援したくなりますね。
スズキやトヨタ、ホンダの直近の月足チャートは以下です。現在は少しお高めではあるのでできれば下がってから少しずつ買い増していくのが良いのかもしれません。
楽天 ispeedより抜粋 (2024年1月31日時点データ)
車にも深くかかわってくる、インドの公害問題についての記事は以下でも少し取り上げています!
https://takahasi-takasi-blog.com/12-1%e9%80%b1%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e6%a0%aa%e3%83%bb%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e2%86%92%e3%82%a4/参考:JETRO HP インドビジネス短信ページより
view_interface.php (jetro.go.jp)
:自動車販売台数速報 日本 2023年 – 自動車産業ポータル マークラインズ (marklines.com)
インド株にご興味ある方は、インド株の魅力やデメリットについて書いた記事もございますので、そちらも是非ご覧ください!!
インド株投資の成長性とリスク|長期投資×節約で大金持ちに俺はなる!byたかはしん (takahasi-takasi-blog.com)
まとめ
今回の2つの記事をまとめてみると、
・インドのEV市場は2030年に年間1,000万台の販売の予想となっており、非常に熱い業界であることをインドの要人たちは口をそろえて語る
・グジャラート州を中心とした地域でEV製造にインドは注力していくことになりそう
・EV車業界はインドの成長による国民の経済力向上やインド国内の公害といった社会問題にもアプローチできるセクターである
・EV車だけではなく、インドは自動車全体が熱い
・2023年12月度も引き続き自動車全体大きく伸長
・しかしながら、伸びる車種やブランドは見極めながら関連企業への投資は行う必要性がある
さいごに
今回の記事はいかがだったでしょうか!?
インドの自動車産業の直近の状況、特にEV市場について掘り下げて書かせていただきました。
単純な自動車の販売数では、日本の企業もインドでかなり健闘していることが分かりましたし、インドが自動車特にEV車市場において有望な投資先であることが分かりました。
今は、我々個人投資家単位ですと、とりあえずインドで頑張っている日系企業が安くなるタイミングを見計らって、注視と資金調達を継続するしかなさそうです。
気長に待って、チャンスをつかみ取りましょう!!
▶筆者について
こんにちは!たかはしんと申します。
以下が私についてのプロフィールとXです。
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流行りのインド株の成長性とリスクをまとめてみました!
— たかはしん@長期投資・節約・ブログ (@takahashin3150) October 14, 2023
新NISAまでには確認すべき内容をまとめています。
最近では、
SBI証券からは愛称:サクっとインド株式
→「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」
auアセットマネジメントからは「auAM Nifty50インド株ファンド」…
(12) たかはしん@長期投資・節約・ブログ (@takahashin3150) / X (twitter.com)
✅福岡出身。
✅たかはしん=高橋隆
✅Fランク大学卒。
✅1児の父
✅酒をこよなく愛する
✅一部上場企業で7年ほど勤続中。⇒もう少しで管理職をさせられそう……。
✅もともとかなりのダメ人間。お金や時間などについて勉強した結果、
1年半ほどで資産0円⇒資産200万円達成!
✅2023年は、500万円をまずは目標に、米国株・日本株・積立NISA【オルカン/S&P500】・仮想通貨中心に投資活動を行う。
✅投資7年、ブログ4か月、ライティング4か月の経験あり。
長期投資について色々な記事ご用意しております。ぜひこちらも御覧くださいませ。
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