▶本記事の趣旨
直近インドの中でも非常に熱いセクターともいえる自動車セクター。
特にその中でも現在世界で注目されているEV車。
そのEV車に関する大きなニュースとなるのが、今回の『インドのEV車輸入時の関税引き下げ』です。
今後のインドの人口増加に伴い、自動車、特にEV車というのは無くてはならない存在ですので、注目しておいて損はないでしょう!
今回は、EV車の市場状況状況を踏まえて解説していきます。
※本記事は、投資を強く推奨するものではございません。投資は元本割れのリスクがございます。あくまで投資判断は自己責任でお願い申し上げます。
▶目次
▶インドのEV車輸入時の関税引き下げ!?テスラに追い風か?
▶①インド政府EV車関税引き下げ発表(条件付き)
3月15日のロイターの記事によると、インド政府は一部の電気自動車(EV)の輸入関税を引き下げるということを発表したとのことです。
これには、「企業が5億ドルの投資をすること」+「3年以内の工場建設を確約すること」
の2点が条件となっています。
以上の要件を満たした企業は、価格が3万5000ドル以上のEVを15%の低税率で一定台数、輸出することができるようになります。
※現在は価格に応じてEVを含む輸入車に70% or 100%のかなり高い税率が適用されている状況となっています。
現在の70%か100%といったかなり極端な税率からするとかなりお得感があり、インド国民も多少は買い求めやすくなるのは事実でしょう。
但し、3万5000ドル以上なので、そもそも少しお高めの車というのは大前提です。
海外の高級車ブランドにとっては単純に追い風となり、国内メーカーからすると逆にダメージになることが想定されます。
特に、国内トップシェアであるタタ・モーターズはどんな出方をするのでしょうか?
▶②世界とインドのEV車市場について
現在のEV車市場は、世界・インドにおいても急速に成長を遂げており、SDGsを推進し、環境に配慮できることから注目されていると考えられます。
以下はIEA(国際エネルギー機関)が発表している、2010年~2022年のEV車の販売台数推移です。
引用日:2024年3月23日
引用元:IEA HPより
URLGlobal EV Data Explorer – Data Tools – IEA
ここからから分かるように世界での販売台数は、2022年で約1000万台であり、かなり急激な伸長の仕方を見せています。世界の人口の伸びに合わせてこれからもこの販売の伸びが続くこと考えられるでしょう。
加えて、日本自動車工業協会のデータによると、2021年の世界の4輪車の保有台数は、約15億台です。この一部分がEV車へと買い替えられていくのだとすれば、1000万台というのはまだまだ序の口とも考えられます。しかも、ここには2輪車や3輪車は含まれていないので、拡大余地はそれ以上です。
以上のような高い成長性から、自動車セクター特に、EV車というのは非常に有効な投資先であると筆者は考えております。
そして、話はインドに戻りますが、今年1月の第10回バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット(VGGS)で、連邦政府のニティン・ジャイラム・ガドカリ道路交通・高速道路相がインドでは、
2030年までに1000万台のEV車販売台数になるとの予想を発言していました。
また、インドのEV市場は現在は小規模であり、昨年のインドの乗用車販売に占めるEVの比率は2%未満です。現在、政府は2030年までに30%に引き上げることを目指しています。
現在小規模であるとは言いましたが、JETROの記事によると2023年のEV登録台数が過去最高、前年比5割増の150万台超に上ったというニュースも出ていましたので、徐々にニーズが高まっていることは間違いなさそうです。
先のニティン・ジャイラム・ガドカリ道路交通・高速道路相の発言が言葉通りになるとするのであれば、現在の世界での販売台数を一国で賄うことになりますし、今回の関税引き下げはこの販売台数の増加の追い風になると考えられます。
▶③関税引き下げを受けたテスラは今後動く??
さいごに、EV車世界トップ企業であるテスラについてです。
昨年6月頃CEOであるイーロンマスク氏がインドのモディ首相と会談し、インドへの投資意欲を見せていました。二人で握手を交わしている写真が非常に印象的でした。
ロイターの記事によると、関係筋からの情報で、テスラは昨年7月、工場建設を提案したが、輸入関税の引き下げを要望していたとのことでした。
これは、やはり強くインドへの進出を考えていたことの表れでしょうし、要望が叶ったとあればスピードをもってインドへの進出をしてくることが考えられます。
現在テスラは、中国の上海工場の生産を減少させていっているといううわさがあります。また、欧州などでもEV車のニーズの減少がみられていることからも今後新たな大きな販路を求めていることが予想されます。
引用元:TESLA IRより
URL:2023 Q4 Quarterly Update Deck (tesla.com)
引用日:2024年3月28日
テスラの直近のIR情報から地域ごとのシェア率を表したグラフになりますが、やはり直近少し伸びが鈍化して見えるような印象です。
現在、テスラは1月の決算後値を崩して、3月さらに下落。2024年3月28日現在、160ドル付近でリバウンドをし、180ドル付近まで回復をしてきています。直近のEV車ニーズの冷え込みをどうやって取り返していくのか、インドでの販路拡大は実際にどうなっていくのか、はたまた新しいイーロンマジックが展開されるのか??
非常に見ものです!!
とにかく、世界・インド・テスラのを中心にEV業界に着目する必要がありそうです。
以前書いたインドのEV市場に関する記事は以下です!lこちらも是非御覧ください♪
参考:インドがEV輸入関税引き下げ、投資が条件 テスラに朗報 | ロイター (reuters.com)
:2023年EV登録台数が過去最高、前年比5割増の150万台超(インド) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
:世界生産・販売・保有・普及率・輸出 | JAMA – 一般社団法人日本自動車工業会
まとめ
今回の記事をまとめてみると、
①世界・インド単位で見てもEV車はニーズが高い
②インドはまだまだ自動車におけるEV車比率が低いが、徐々に伸長をしてきているため潜在的なニーズがある可能性が高そう
③テスラは業績の上でも、中国・欧州での伸び悩みを取り返す一手をインドで打ってくるか?
以上のことから、インドに投資をしている自動車メーカーやテスラなどに注目しておきたい!!
さいごに
今回の記事はいかがだったでしょうか?
EVインドのEV市場について掘り下げて書かせていただきました。
世界的にも伸びているEV市場の中で、国策としてそのチャンスを広げていこうとしているインドの市場には引き続き注視が必要ですし、特にEV車トップのテスラがインドでどんな動きをしてくるのか非常に楽しみです。
我々個人投資家においては、気長に待って、チャンスをつかみ取りましょう!!
▶筆者について
こんにちは!たかはしんと申します。
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流行りのインド株の成長性とリスクをまとめてみました!
— たかはしん@長期投資・節約・ブログ (@takahashin3150) October 14, 2023
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最近では、
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(12) たかはしん@長期投資・節約・ブログ (@takahashin3150) / X (twitter.com)
✅福岡出身。
✅たかはしん=高橋隆
✅Fランク大学卒。
✅1児の父
✅酒をこよなく愛する
✅一部上場企業で7年ほど勤続中。⇒もう少しで管理職をさせられそう……。
✅もともとかなりのダメ人間。お金や時間などについて勉強した結果、
1年半ほどで資産0円⇒資産200万円達成!
✅2023年は、500万円をまずは目標に、米国株・日本株・積立NISA【オルカン/S&P500】・仮想通貨中心に投資活動を行う。
✅投資7年、ブログ4か月、ライティング4か月の経験あり。
長期投資について色々な記事ご用意しております。ぜひこちらも御覧くださいませ。
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